新しい産学協同のあり方
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概要
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冷戦終結後の世界は新しい秩序の構築をめざして大きく動きつつある。この動きに強い影響を与えるのが全世界的な情報化革命である。さらにこの情報化革命は半導体技術の更なる発展を前提としている。全世界の半導体生産額が現在約10兆円で20年間でほぼ20倍になった。このうち約40%を日本企業が生産している。一方半導体素子の機能あたり価格は計算のしかたにもよるがこの10年間で100倍にもなっている。我々はこのモメンタムを将来につなげていかなければならない。情報のパーソナル化にともないLSIはさらに高い性能を少ない消費電力で実現しなければならない。またシステムオンシリコンの時代になり小量多品種生産が避けられず、商品企画力やツールを含めた設計力がきわめて重要になってくる。他方従来技術の延長で高集積化を進めるとプロセスは非常に高価になり採算上の問題がでてくる。画基的なコストダウンが必要で、そのためには技術的ブレークスルーが不可欠である。製造装置の性能が良くなったためプロセスの国際化が進行している。アジアや中国が市場としてはもちろん製造基地としても注目されてきた。このままでは製造の海外シフトやさらには技術の海外シフトが心配される。日本が技術的に空洞化すれば雇用の喪失につながり、さらには基礎技術の喪失にもつながるかもしれない。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-03-27
著者
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