相対論的電子ビーム・飽和性カー媒質導波系における空間電荷波の非線形特性

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これまでに, 非線形光学効果を用いた様々な光デバイスが盛んに研究されている。特に, 3次の非線形光学効果を示すカー媒質は, 屈折率に対する光強度依存性により, 伝搬定数および電磁界分布の電力密度依存, 双安定性, 多重安定性, ヒステリシス現象などの興味深い現象を引き起こすことが知られている。このような特性を有する非線形媒質を電子ビームと相互作用させることにより, チェーレンコフレーザにおける出力の双安定特性など, 従来の非線形光学デバイスと同様の興味深い非線形特性が期待される。しかしながら, 著者らの知る限りでは, チェレンコフレーザにおいて, このような電子ビームとカー媒質の非線形相互作用を扱った論文はわずかである。チェレンコフレーザにおける非線形相互作用を十分に理解するためには, まず, 相対論的電子ビームに沿って伝搬する空間電荷波の安定状態における非線形特性を詳しく調べる必要がある。文献[5], [6]では, チェレンコフレーザの非線形相互作用を調べるための第一段階として, 相対論的電子ビームとカー媒質から構成されるモデルを伝搬する非線形空間電荷波の, 電子ビームのドリフト速度がチェレンコフ放射条件を満たさない安定状態における特性を調べている。しかしながら, これらの報告では, カー媒質の誘電率変化に対して, 飽和現象を考慮していない。そこで, 本稿では, 電子ビームと飽和性カー媒質からなるモデルを伝搬する空間電荷波の非線形特性を調べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06

相対論的電子ビーム・飽和性カー媒質導波系における空間電荷波の非線形特性

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