スプライン・ウエーヴレットによるエネルギーの時間・スケール解析
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概要
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スプライン・ウェーヴレットは対称性を持つ簡単な関数であるため,離散ウェーヴレット変換への応用においてさまざまな利点を持つ.それ自体直交基底とならないために,ふつう双直交ウェーヴレットとして定式化されるが,ノイズ除去や画像圧縮など信号処理への応用において,信号を分解・再構成する計算には必ずしも双対基底は必要でない.しかし,信号エネルギーの時間・スケール解析を行うには,信号の展開を双対な基底のそれぞれに関して展開係数を求める必要がある.本稿では,Chui-wangの4階(3次)のスプライン・ウェーヴレットにおいて,信号エネルギーの解析を行う方法を述べ,また実際の例によって直交ウェーヴレットとの比較を行う.マザー・ウェーヴレットを[numerical formula]とし,これに双対なウェーヴレットを[numerical formula]とする.離散ウェーヴレット変換によって,信号[numerical formula]はウェーヴレット[numerical formula]または双対ウェーヴレット[numerical formula]の線形結合として,次のように表される.[numerical formula] (1)直交性[numerical formula]から,次の式が得られる.[numerical formula](2)したがって,信号平面上の位置(k,j)における信号fのエネルギー密度は[numerical formula]に等しい.これを求めるには,[numerical formula]および[numerical formula]をそれぞれ計算しなければならない.一方,直交ウェーヴレットでは[numerical formula]であるから,[numerical formula]つまり[numerical formula]となる.以下,2節で計算の方法を述べ,3節で応用例を示して,直交ウェーヴレットの場合と比較する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-11
著者
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