連想記憶モデルのベイズン拡大/縮小について
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概要
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本報告では、低次のパターン情報の持つ曖昧さや矛盾を解消する新しい考え方として、連想記憶モデルの力学的な状態空間の構造、即ち識別境界を劇的に変化させることによって、高次の文脈情報に迅速に適応出来る、動的なパターン認識を実現する方法を提案する。先に提案した発振ニューラルネットワークの特徴を利用して、状態空間内に安定平衡点や周期軌道、カオス等が共存する自律系の連想記憶モデルを構築し、本モデルの隠れ素子の初期状態によって状態空間の構造を劇的に変化させうることを示す。この性質を用いて、連想記憶モデルのアトラクターのベイズンを拡大あるいは縮小できることを、3次元モデルの計算機実験によって確認する。このような力学的な状態空間の構造の劇的変化は、高次の文脈からの予測に適応した、低次のパターン情報の動的な解釈や認識に利用出来る。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-06-25