MRFモデルを用いた音声認識処理の並列化
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概要
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本論文は,マルコフ確率場(MRF)モデルを用いて,音声認識処理を時間軸上の各フレームごとに局所並列演算で行うことができる新しい方法を提案する.従来,音声処理の並列化に関する検討例はあまり見当たらないが,強力な計算パワーを必要とする高度な連続音声認識システム等においては,ここで提案する認識処理の並列化アルゴリズムは極めて有用となると考えられる.並列化のポイントは,モデルパラメータと観測値の系列が与えられた場合に,最適状態系列の推定をICM(Iterated Conditional Modes)法を用いた並列処理で行うことにある.そのために不可欠な状態系列の局所確率は,HMMにおける状態系列の生成確率をギブス分布で表現し,ギブス分布の周辺分布を計算することにより求めることができることを示す.これは,HMMで用いられている片側マルコフ連鎖を1次元MRFの両側マルコフ連鎖へ変換できることを意味する.不特定話者数字音声認識実験を通して,本並列処理アルゴリズムの認識性能がViterbiアルゴリズムと比べてそん色ないことを確認した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-04-25
著者
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野田 秀樹
九州工業大学工学部
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張 兵
郵政省通信総合研究所
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野田 秀樹
郵政省通信総合研究所関西支所
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メディ ヌリ
郵政省通信総合研究所関西支所
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Shirazi M
Kyoto Univ. Kyoto Jpn
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