彩色紙用の光沢度とその鏡面光沢度測定装置への応用に関する基礎研究
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概要
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紙, 塗装面などの光沢はその製品価値を判定するうえで, 重要な要素の一つである. 光沢は人間の眼によって判断するが, 製品管理上では人間に代わるものとして, 現在, 鏡面光沢度測定装置が最も普及している. しかし, 同測定装置は類似色試料間の光沢評価には適しているが, 色の異なる有彩色試料では, その測定値が人間の光沢感(心理的光沢度)に比例しないという問題がある. そこで, 有彩色紙類に適した光沢度を得るために, 本論文の前半では, 試料面から反射する光の強度分布モデルを用いて, 人間の眼によって感知される光沢感を求め, これをもとに新しい光沢度・仮称「鏡面・拡散比光沢度G_<SD>」を定義する. 次いで本研究で試作した測定装置を用い, 新光沢度が心理的光沢度に大体比例することを確かめる. 本論文の後半では, G_<SD>の概念を鏡面光沢度計に適用拡大する方法を提案し, その有効性を有彩色光沢紙類を用いて確かめる. 今後の課題についても述べる.
- 1996-06-25