画像処理による大島紬筵の染色縞計測

概要

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本研究は,大島紬の絵柄染色に用いられる染色筵において,染色すべき縞の部分(染色縞)の位置を自動計測できる実用的なシステムの開発を目的としたものである.染色筵においては,染色縞は幅が約1〜10数mmで,これが紬の絵柄に応じて1mmから数cmおきに平行に並んでいる.染色縞の幅は前もってわかっているので,実際には染色縞の中心線の位置が求まれば,染色できることになる.対象が布であることから,中心線の位置計測には,画像処理の技術を応用することにした.テレビカメラで撮影された画像は,取込みボードを経てコンピュータへ取り込まれ処理が施される.具体的には,2値化,ノイズ除去の後に,筵の特徴を活用した方法によって,中心線の位置計測が可能な画像へと変換し,その位置を求めるといった方法で行った.この中で,特に染色縞同士の結合や,縞自身の途切れなどが発生しないように種々の工夫をした.更に,処理速度や経済性をも考慮した構成とした.実際の筵の処理に要した時間は,筵1枚当り約2分25秒と短時間であった.また,計測精度も実用上問題ない程度であった.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-05-25