数列比較課題中におけるサッカード動特性と視覚情報取得量の関係(生体工学)

概要

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居眠り等による交通事故防止の観点から,覚醒水準を簡易に推定できる指標が求められている.本論文では過去に覚醒水準との関係が報告されているサッカード眼球運動について,覚醒水準推定指標としての応用可能性を検討することを目的に,覚醒変動に伴う視覚機能の変化との関係について調べた.視覚機能のパフォーマンスを反映する指標として視覚情報取得量なる量を新たに定義し,被験者7名に対してサッカード速度波形の尖度との関係を解析した結果,視覚情報取得量とサッカード速度波形の尖度との間に正の相関関係が得られ,そのうち3名において強い相関(>0.7)が見られた.これより覚醒水準が低下しサッカード速度波形の尖度が低下しているときには,単位時間当りに脳が視覚を通じて取得する惰報量も減少していることが示された.被験者2名に対して追加実験を実施した結果,サッカード速度波形の尖度と視覚情報取得量の関係式に個人内での再現性を確認できたことから,眠気による事故の防止用の各種インタフェースヘ応用が期待できる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-11-01