ハイパー・メディアと構造的シラバス : 日本語教育機関における夢と現実
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概要
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来日時には「ゼロ」の状態である留学生の日本語能力を、集中教育で、大学教育に対応しうるものにまで高めることを目標とした日本語教育機関においては、文型・語彙を積み上げていく構造的シラバスを基本とし、直接法による指導が行われている場合が多い。本センターでは近年の留学生の出身国・言語背景や志望分野の多様化や学習の進歩のばらつき等に効率的に対処するため、パソコンを用いた「ハイパーメディア自学自習システム」の制作が開始されている。ハイパー・メディアの特長のうち、メディアの融合性・相互交渉性・情報の拡張性は、日本語教育においても強力な武器となるが、入門期の教材から、無構造性を標榜するのは無理があった。しかし、これは同時に構造的シラバスの効率性にたいする問題提議でもある。また、メディアはあくまでメディアであり、現実のコミュニケーションの相互交渉性を超えることはない点に留意するべきである。[紹介するソフト・ウェア:「ハイパードリル初級日本語」「ハイパー漢字辞典」「ハイパー初級読み物」「ハイパー中級読解」等]
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-04-10