市場理解のための発想転換 : 経済学と認知科学の学融合を通して
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概要
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90年代の通貨・金融危機は市場の自由化のもたらす効率性に疑念を生じさせた。多くの危機に対する処方箋は金融市場に対する誤解に基づいている。一般均衡理論や経済人という認知枠組みを通して金融市場を捉えたために誤解が生じたと思われる。したがって, 現実の金融市場の特徴を理解するためには、代替的な市場像や経済人の構築が不可欠である。その際に, 認知科学の研究成果を利用することが出来る。代替的な経済人は経済的合理性と方法論的個人主義に対峙するものであり, 階層的意思決定を行う。この協力は人工市場研究として既にスタートしており, 金融市場の理解にとって有望である。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-01-03