日本語による電話サービス仕様記述における表現の多様性と意味の同一性の認識
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概要
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ソフトウェア生産性向上の一環として自然言語による要求仕様を形式仕様へ変換する研究が注目されている. 筆者は電話サービスの仕様を日本語で記述し, 形式言語へ変換する研究を行ってきた. 形式言語は表現と意味が1対1対応であるが. 自然言語は同じ意味を表す場合でも幾通りもの表現があり, この多様な表現から電話サービス概念としての同一性を認識することが形式言語への変換に向けての課題である. 自然言語を仕様記述に適用する場合の表現の多様性には, 自然言語自身がもつ性質に基づくものと仕様記述への自然言語適用方法に基づくものとがある. 後者に関しては, 電話サービスのモデル化, 概念の体系化に基づき概念データベースを構成し, 概念検索を通じ, 表現から概念を特定する手法を提案している. 本論文では自然言語自身がもつ表現の多様性の問題を対象とする. まず, 電話サービスの仕様記述で使用される表現を整理し, 日本語による仕様記述法を定める. 次に, 日本語表現の多様性の原因を分類し, それぞれごとの対処法を示した後, 多様な表現を意味の等価な表現に集約することにより, 意味の同一性を認識する方法を提案する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-08-25