孔密度で誘電率を制御した平板化ルーネベルグレンズ

概要

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ルーネベルグレンズは、ビーム走査が容易に行え、更にマルチビームの形成に利用できる可能性もある。これらの特長を平面アンテナへ応用するには、まず薄い平板ルーネベルグレンズの製作法を検討しなくてはならない。一方、誘電体に波長より十分小さな直径を有する多数の孔を設けることで誘電率を制御する方法が知られている。これまでの孔密度による誘電率制御法は多孔を入射電界に対して垂直、またはそれに近い方向に設け、レンズの整合層を実現するための一つの方法として用いられている。これに対して、筆者らは多孔を電界に対して平行に貫通させ、誘電率を広域にわたって制御する方法を提案する。後者の孔密度法によってルーネベルグレンズを試作し、動作特性試験をlOGHz及び48GHzの二つの周波数帯で行った。その結果、どちらの周波数帯においても、ルーネベルグレンズとして十分動作することが確認できた。更に、平板ルーネベルグレンズの一つの応用例として、平行平板スロットアレーアンテナを試作し、放射特性を測定したところ、ビーム走査機能をもつ高利得ミリ波平面アンテナの給電部等にルーネベルグレンズを利用できることがわかった。
2001-05-01