計算機シミュレーションによる符号合成ダイバーシティ受信方式の検討(移動通信ワークショップ)(「次世代ブロードバンド無線通信の実現に向けて」)

概要

論文の詳細を見る
誤り訂正符号とダイバーシティ受信は移動通信に広く使われる技術である。本論文ではこの二つの技術を有機的に結合した符号合成ダイバーシティ受信方式を提案する。誤り訂正符号部には畳み込み符号、復号部には誤りと消去訂正もしくは軟判定ビタビ復号方式、ダイバーシティ合成部には極めて簡単なディジタルスイッチによる符号合成方式を採用する。熱雑音、周波数フラットフェージング、選択性フェージング、チャネル間干渉などの各種通信路条件の下で、提案方式の誤り率特性を計算機シミュレーションにより調べ、複雑なシステム構成となる従来の最大比合成(MRC)ダイバーシティ受信方式の特性と比較した。結果として、提案方式は周波数フラットフェージング通信路ではMRC方式と同程度または良いBER特性を、周波数選択性フェージングと同一チャネル干渉通信路では良いBER特性を示すことが明らかになった。また、提案方式をW-CDMA RAKE受信システムに適用した符号合成ダイバーシティ受信を用いるRAKE受信方式の性能も計算機シミュレーションで調べ、MRC方式を利用する従来のコヒレントRAKE方式よりも良いBER特性を示す事を確認した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-02-28