到来波推定における角度広がりのモデリングと推定に関する検討

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移動体通信では,移動端末近傍の建造物などでの電波反射により常に角度広がりが生じる.角度広がりがある場合,MUSIC法による推定では電波伝搬環境推定を誤ることがあり,その場合の誤差はMUSIC法の分解能の鋭さゆえに大きなものとなってしまう.そこで,角度広がりを同時に推定することにより,到来電力を幅を持って受信,そのうえで各素波を合成し通信環境の向上を図ることになる.既に様々な到来方向,角度広がりの同時推定方法が提案されているが,角度広がりの推定精度や推定条件など,実環境に即していない部分も多く決定的ではない.本報告では,まず現在までに提案されているモデリングについて,より実環境に近づけるために修正を加える.到来波の電力分布が到来方向に対してガウス分布であることと,遅延の変化による電力変動を考慮したモデリングでは,スナップショットによる位相ずれを考慮した複素電力を導入する.この複素電力を電力分布として扱うことによりモデリングの修正を行う.その上で,幅を持ったアレーモードベクトルで受信することに基づく「積分型アレーモードベクトルを用いたMUSIC法」によって推定を行い,その精度,問題点について検討を行う.その結果,モデリングの修正によってより実環境に近づいたモデルとすることができ,積分型MUSIC法による推定精度の向上が実現できる.
2004-05-13

到来波推定における角度広がりのモデリングと推定に関する検討

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