高集束ビーム内で発生するミクロ流の制御

概要

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焦点といった局所で音響流を制御できれば,ミクロ流としての応用が期待できる。これまでも音響流の応用例はいくつか報告されているが,1つあるいは2つの音源を駆動して流体の攪拌などに用いたものがほとんどである。本報告は集束音源の放射面を2つに分割して独立に振幅と位相を調整して超音波を放射することにより,発生する音響流の空間分布の制御を実験で試み,それをスケールダウンした音源モデルで,マイクロな音響流(ミクロ流)の実現を理論的に検討したものである。音場の計算には扁平回転楕円座標を用いた音波ビームのモデル式SBE[T.Kamakura et al., J. Acoust. Soc. Am. 105, 3083-3086 (1999)]を適用し,得られた音場をもとにして発生する音響流の流速分布をNavier-Stokes式から予測した。理論と比較のため,レーザドップラ流速計での流速特性を実験で求めた。その結果,焦点といった局所付近での流れの発生とそのコントロールが可能であることが分かった。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-11-21