ソフトウェア産業の構造進化とグローバル競争力に関する考察(企業から公共,非営利組織まで)(ビジネスモデルからソーシャルモデルへの展開)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
産業競争力をテーマするマイケル・E・ポーターと竹内弘高はその発表の中で、ソフトウェア産業を明確に「失敗産業」に位置付けている_<1)>。我が国のソフトウェア輸出入統計は2000年で9,188億円の輸入に対して89億8,100万円の輸出というデータでこれを裏付けている_<2)>。本論では、筆者がここ30年の間に従事した5つの計画を素材にこの間のソフトウェア産業の構造進化を鳥瞰し、そのグローバル競争力欠如の要因の一つとして「企業コンソーシアム」構成法に着目した考察を示す。要約すると、筆者らの体験では、我が国ソフトウェア産業は、技術革新の節目節目で相当の革新性を持ち、内外に誇れる成果を挙げてきた。しかしながらポーターらの指摘のようにグローバルな競争力を待つに至らなかった。その要因のひとつに産業構造の進化に合わせた「企業コンソーシアム」が実現できていないことが考えられる。今後この領域での施策を講じることでその潜在力を開花させ大きな飛躍が期待できる、ということを実証的に示したい。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-10-03