特別養護老人ホームの施設差が入所者の睡眠感および寝床内気候に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
二つの異なる特別養護老人ホーム入所者の寝床内気候, 睡眠感, 主観的気分と眠気の日内変動を比較した.調査対象は, 介護体制の異なる東京都心(T)と長野県郊外(N)にある特別養護老人ホーム入所者計30名(東京22名, 長野8名)とし, さらにADL(日常生活活動)が自立している群(T-high, N-high)と自立していないねたきりの群(T-low, N-low)にわけて比較した.測定項目は寝室内, 寝床内温湿度, 起床時の睡眠感, 主観的眠気, 活力, 気分のリズムとした.夜間の室内温湿度は, Nで有意に温度が低く, 湿度が高かった.日中の背部の寝床内温度は, T-highでN-highよりも有意に低かった.夜間の寝床内気候に群による差はみられず, 32〜34℃, 50〜60%RHの間に保たれていた.日中の眠気はT-highでN-highより有意に低く, T-lowでもN-lowより低い傾向であった.睡眠感はT-high, T-lowでN-high, N-lowよりも有意に高かった.ADLは同じでも, ホームにより睡眠感は差がみられ, 介護体制を改善していくことで睡眠感が改善する可能性が示唆された.
- 社団法人日本家政学会の論文
- 2000-03-15