自己相関がある場合のX管理図におけるブートストラップ管理限界線
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来の管理図では, 工程が管理状態にあるときに工程データは独立で同一分布に従うという基本的な仮定がおかれている.しかしながら, たとえば化学工場などの連続工程では, ほとんどの工程データに自己相関が見られる.そのような場合は従来管理図の管理限界線は必ずしも正確であるとはいえない.ブートストラップ法は計算機に基づく強力な方法論であり, 複雑なモデル(たとえば, 自己回帰モデル)が必要とされるときに有効である.なぜならば複雑で解析的な手順なしに様々な統計解析を行えるからである.本論文では, 工程に自己相関がある場合におけるブートストラップ方法を用いた平均に関する管理図(X管理図)の構成方法を提案する.ここでは, Efron and Tibshirani(1986)により紹介されたモデルベースな時系列リサンプリングやEfron(1987)により提案された信頼区間推定のためのパーセンタイル法が使われている.さらに, 様々な条件下のシミュレーション実験において, 提案法と従来法(Standard法とMoving Blocks Bootstrap法)による管理限界線を比較・検討し, その妥当性を示す.
- 社団法人日本品質管理学会の論文
- 2001-07-15