QCサークル活動再構築に向けての一考察
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概要
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QCサークル活動への期待感, 熱気と関心は1980年代に遠く及ばない.この原因はどこにあるのか, また, 再構築は可能なのか.このような問題意識でQCサークル活動の生成, 発展, 変貌を経済過程, 経営, 労働, サークル運営などの観点から考察している.従来, QCサークル活動の研究は品質管理や経営工学, 経済学, 経営学の分野からなされてきた.再構築のためには学際的な視点, 現場からの視点で原点から活動を総体的に把握し直し, 経営者, 労働者ともに満足のいく合理性と納得性が必要である.本論文では, プラザ合意以後の国際化などの進展や成熟化社会の到来という経済過程の変化による経営の変化, 労働者の価値観の多様化などに着目している.今後のQCサークル活動は二極化し, サークル数の量的拡大ではなく, 質的な高度化を目指す方向に進むと予測し, その分水嶺は長期雇用理念にあると主張している.また, 再構築の視点として経営品質, 労働の人間化や分権・分散的管理, ISOとの融合, 体験学習による動機付けや創造性の教化教育を論じている.
- 1998-07-15