67. ネコ脳幹におけるコリントランスフェレース(Burt法)の分布について
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概要
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従来コリン作動性ニューロンシステムの形態学的研究には主としてコリンエステレース(AchE)の組織化学的証明法が用いられてきた。しかしAchEの分布とコリン作動性ニューロンの分布との一致については水解酵素がコリノセプティブな構造物にも存在する為、AchEをコリン作動性のマーカーとして使用する事には問題があるとされてきた。最近Burt及びKasaらがコリントランスフェレース(AchT)の組織化学的検出法について報告した。そこで今回我々はBurtらの方法を用いネコ下位脳幹におけるAchTの分布を明らかにする事を試みた。全脳神経核ともAchT陽性細胞を含むがとりわけ運動性神経核(体遠心性内臓遠心性思遠心性)は強陽性を示す。脳幹網様体では橋及び延髄において種々の大きさの網様体細胞がAchT陽性を示す。一方中脳網様体においてもAchT陽性を示す細胞が散在しているが、その数はAchE陽性を示す細胞数と比べると著しく少ない。縫線核では不確縫線核を除きAchT陽性を示す細胞が全縫線核にわたり散在している。橋の背側被蓋野では背外側被蓋核が中等度の活性を示し、その他青斑核複合体(内・外側脚傍核及びKolliker-Fuse核も含む)の中にもAchT陽性細胞が赦在している。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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