37. 副腎皮質腫瘍のホルモン含量とその形態像との対比に関する研究

概要

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副腎皮質腫瘍は種類により構成細胞比率が異なるものの主としてclear-type cellとcompact-type cellより成り、一般には前者がステロイドホルモンないしその前駆物質の産生・貯蔵像、後者が分泌・放出像を示すものと解釈されている。そこで原発性アルドステロン症(PA)11例、クッシング症候群(CS)2例、対照として剖検より得られた非機能性腺腫・腺腫状過形成5例の計73検体につき副腎組織中のアルドステロン(A)、コルチコステロン(B)、ハイドロコーチゾン(F)含量をradioimmunoassayで測定し、これをoil red o染色或はH-E染色による定量切片の最表面の構成細胞比率と対比検討した。PAではCS、対照に比しA含量が1.06±0.17ng/mg tissue B含量が5.95±1.12ng/mg tissueと有意に高く、CSではFが9.38±1.67ng/mg tissueと高値を示した。ステロイド含量は症例により異なったが、同一症例においても定量切片の採取部によって著差を示すものもあった。定量切片最表曲のclear-type cell或はcompact type cellの比率とA、B、F含量とはPA、CS、対照の何れにおいても統計学的に有意の相関を示さず両種細胞の機能的意義づけには更に詳細な検討を要することが判明した。
日本組織細胞化学会の論文
1978-11-01