60. ウニ卵巣内のカタラーゼ活性
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概要
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演者らは, 先に, ウニの成熟未受精卵の皮質顆粒の層板構造にカタラーゼ活性がみられ, 受精後, 皮質顆粒の崩壊と共に消失することを細胞化学的(EMレベル)に証明し報告した。今回は, 皮質顆粒に含有される物質と, 卵巣栄養細胞内の巨大顆粒との関係(皮質顆粒物質の起源)を追求するため, 種々の発育段階の卵母細胞と発達した栄養細胞を含むウニ卵巣組織のカタラーゼ活性を細胞化学的に証明することを試みた。卵形成初期に皮質顆粒の前駆顆粒(pCg)は卵形質深部に存在し, 形態的に層板構造を示すが, すでに此の時期にカタラーゼ活性がその層板部に存在することが証明された。一方, 卵巣栄養細胞では巨大顆粒(A, BおよびC型)のうち, 内部に皮質顆粒様構造を含むA顆粒の層板構造部(または, 類似の部分)にカタラーゼ活性が認められた。そのほか, 直径0.2μの小顆粒にも活性が証明された。高島はA顆粒内の小顆粒と皮質顆粒の形態および細胞化学的染色性の類似から, 皮質顆粒物質の起源をA顆粒に求めているが, 今回の実験により, 少なくとも, 皮質顆粒とA顆粒の含有物質の関連性が確実となった。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
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