SII-1 1. 脂質代謝調節の分子機構について
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概要
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アセチルCoAカルボキシラーゼは脂質の主成分である脂肪酸生合成の調節に中心的な役割を演じている。種々の栄養条件や糖尿病, 肥満症において脂肪酸生合成速度が増減する際, これに伴って本酵素の量も変動する。In vivoにおける放射性アミノ酸による標識実験から, 本酵素量の増減は主として酵素合成速度の変動に起因していることが明らかになった。さらに^<125>Iで標識したラット肝アセチルCoA力ルボキシラーゼ抗体の肝ポリゾームへの結合実験ならびに無細胞蛋白合成系での肝ポリゾームの翻訳実験により本酵素を合成している特異的ポリゾームを測定した。その結果, 上記の種々の代謝条件において肝アセチルCoAカルボキシラーゼ合成ポリゾームの量が本酵素のin vivoにおける合成速度の増減とよく一致して変動することを見出した。この知見はアセチルCoAカルボキシラーゼの合成速度の調節が本酵素のメッセンジャーRNA量によって規定されており, おそらくは本酵素遺伝子の転写の段階で起こることを示唆する。さらに動物細胞と同様真核細胞である酵母の変異株を用いた実験から, アセチルCoAカルボキシラーゼの合成速度を調節している因子は脂肪酸そのものではなく脂肪酸CoAまたはその誘導体であることが示された。
- 1977-10-20
著者
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