線形校正問題における説明変数間の相関の影響
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概要
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回帰における通常の推定は説明変数の水準が与えられたものと目的変数の母平均を推定する.一方,説明変数による目的変数の最大化問題は説明変数の水準を求めるものである.この問題は線形校正問題として表すことができる.ところで,回帰分析においては説明変数間の相関が推定精度の悪化をもたらすことが良く知られている.説明変数の相関が与える影響についての議論の多くは通常の推定について焦点を当てている.本研究では目的変数を最大化する説明変数の水準を推定する線形校正において,説明変数間の相関が解析結果に与える影響について論じる.具体的には,まず,説明変数間の相関の影響に関する2つの基準を提示し,説明変数間の相関係数行列の関数として定式化する.この基準の上限と下限は説明変数間の相関係数行列の最大,最小固有値から求められることを示す.この形式は回帰における通常の推定と大変類似したものであり,このことは回帰の推定,逆推定とともに統一的に影響が把握できることを示している.最後に,この上限,下限の解釈を述べるために数値例を示す.
- 社団法人日本品質管理学会の論文
- 1997-10-15
著者
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