青年前期・中期における死に対する態度の変化
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概要
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本研究は,青年前期・中期における死に対する態度の特徴について記述することを目的とした。同じ学校の中学生・高校生を対象に,5年間にわたり毎年1回,死に対する態度尺度を含む質問紙調査を実施した。5回全体で899人(延べ1742人)から回答が得られた。死に対する態度尺度は(1)死に対する恐怖, (2)生を全うさせる意志, (3)人生に対して死が持つ意味, (4)死の軽視, (5)死後の生活の存在への信念,(6)身体と精神の死,という6下位尺度から構成されていた。学年に伴う変化を検討した結果,特に中学の期間において学年が上がるにつれ,死に対する恐怖,生を全うさせる意志,死後の生活の存在への信念,および身体のみの生への執着は低下していた。逆に,死を軽視する見方は学年が上がるにつれ否定されなくなっていった。また,人生に対して死が持つ意味の認識については,学年との関連が示されなかった。死に対する態度の構造は青年前期・中期においてはあまり変化しないようであった。死別体験の有無も死に対する態度に有意な影響を示さなかった。
- 2004-04-20
著者
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