夕食場面における母親・父親の幼児への摂食促し行動と幼児の情動状態との関連 : 家族システム論的視点から
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概要
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本研究では,家庭の夕食場面における母親・父親の幼児への摂食促し行動と幼児の情動状態(ポジティブ・ネガティブ)との関連を検討した。また,家族システム論的視点を援用して,母親の摂食促し行動と父親の摂食促し行動の関連,それらの行動と夫婦関係性変数および家族成員の人日読静学的変数との関連を検討した。対象は,4,5歳児を持ち,父母がそろった家庭である。分析には,家族全員がそろった家庭内の夕食場面のビデオ撮影(2回),夫婦関係性および人口統計学的変数を尋ねる質問紙の全データがそろった28家庭を用いた。その結果,母親・父親の摂食促し行動が強いほど幼児のネガティブな情動状態が強いという結果が得られた。さらに,母親が夫婦関係性を良好でないと評価しているほど母親の摂食促し行動が強く,また,対象児の月齢が低いほど,母親も父親も摂食促し行動が強いことが示された。これらの結果は,限定的ではあるが,母親・父親の養育行動と幼児の情動状態が強く関係することを実証的に示したものであり,また,家族システム論の主張とほぼ一致するものであったといえるだろう。
- 2003-08-15
著者
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