青年が認識する親への愛情や尊敬と,同一視および充実感との関連
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概要
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本研究では,現代青年の親への態度(愛情,力を感じる)と同一視(意識的なモデル化,取り入れへの気づき)との関連について,西平(1952,1990)の枠組みを用いて検討し,さらに,親への態度と,アイデンティティ統合の感覚の生活気分としてのあらわれである充実感との関連について検討した。研究I:親への態度および同一視と充実感を測定し分析したところ,現代青年(男子=259名,女子=439名)は親を愛し親に力を感じている傾向が示され,愛情と力を感じている青年ほど親を同一視し,その傾向は「モデル」下位尺度で顕著だった。また,青年が親に愛情と力を感じているか否かということと充実感との関連は示されなかった。研究II:研究Iの被調査者のうち16名(男子=7,女子=9名)に,半構造化された面接調査を実施した。研究Iで示された知見が質的に分析され妥当性が示された。本研究の結果から,西平(1952,1990)の枠組みが現代青年の親への態度や同一視についても当てはまることが示された。さらに,現代青年は,親,特に母親を愛し力を感じる傾向があり,その態度は青年が親を同一視する程度と関連しているが,親への態度と青年の充実感は必ずしも関連しないことが示された。
- 2003-04-20
著者
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