幼児の心的な比喩の理解 : 心は容器か,物体か,動作主か?
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概要
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心的な比喩に対する6歳児の理解を3つの実験によって検討した。本研究では,子どもは3つの領域における心的な比喩に対する解釈を求められた。つまり,容器比喩(例えば,「心が空っぽである」),物体比喩(例えば,「気が重い」),動作主比喩(例えば,「気持ちが足跡みしている」)の3つである。実験1では,16名の子どもが,比喩文に対する正しい解釈と誤った解釈という2つの絵画ストーリーを提示され,比喩文と対応するものを選択するよう求められた。実験2と3では,各20名の子どもが,比喩文に対する比喩的な正しい解釈,比喩的だが誤った解釈,字義的な解釈,無関連の解釈という4つの絵画ストーリーを提示され,実験1と同様のことを求められた。3つの実験で,子どもの大部分は,動作主比喩よりも容器比喩において正答を多く選択した。以上の結果は,幼児が持つ心のイメージという点で考察された。
- 2001-11-15