集団決定場面での「個人領域」の判断からみた権利意識の発達
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概要
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集団決定状況での「個人領域」についての認識の発達と個人領域について集団決定を是認する状況の要因をみるために3つの研究が行われた。研究1では,9歳,11歳,13歳,および大学生,計119名が被験者として参加した。参加者はある学級で子どもたちが集団決定しようとしている8つの仮説的場面が示された。各場面について,集団決定することの是非の判断,判断理由の記述,決定の拘束性についての判断,決定に違反したときの悪さの評定が求められた。低学年では個人領域の事柄でも集団決定してよいとする反応が多かったが,好み・嗜好に関するする事は最もはやくから,集団決定すべきでないとする反応が出てきた。個人にとって利点がある行為は大学生でも多くの者が集団決定を是認した。研究2には8歳,11歳,13歳,大学生,計120名が参加した。決定が拘束力があることが強調された場面で,研究1と同様のことが行われた。拘束力がある場合でも,全般的に結果は研究1と同様であった。研究3では同じ個人領域のことが集団の目標の有無,文脈のちがいなどの状況によって,集団決定が是認されるようになるかどうかが検討された。半分の場面で,状況によって判断が異なることが示された。個人領域の判断と権利意識の発達について考察された。
- 日本発達心理学会の論文
- 2001-11-15
著者
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