MPR像による解剖学的検討 : 右上葉肺動脈について<画像診断セミナー>
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概要
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目的. Multidetecter-row CT(以下MDCT)では従来の横断面と同じ解像力でmultiplanar reconstruction(以下MPR)で矢状断や冠状断など任意の断面の画像が得られる. MPR像により右上葉動脈,A^2,A^3の分岐様式を検討した.方法.胸部に病変が疑われた症例及び正常ボランティアでMDCTによる検査を施行し,肺野条件によりA^2ai,A^2aii,A^2bi,A^2bii,A^3ai,A^3aii,A^3bi,A^3biiの走行について,上幹動脈から分岐する回帰型か,中間肺動脈幹から分岐する上行型かを検討した.結果.通常,右上葉の肺動脈は上幹動脈から分岐し,気管支の上方に接して走行する.しかしA^2あるいはA^3の区域枝や亜区域枝は中間肺動脈幹から分岐し上行して上葉に入り,気管支の下方に接して走行する.このような気管支と動脈の関係が逆になって走行するものもいくつか認められた.結論.動脈の分岐の検討や気管支の分岐をMPR像で検討することにより,病変に対して詳細な情報や術前の既存構造の情報を提供し,読影医の読影技術の向上こも非常に有用である.(肺癌.2002 ; 42 : 698-701)
- 日本肺癌学会の論文
- 2002-12-20
著者
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