肺腺癌の組織亜型と術後予後:とくに乳頭状腺癌と印環細胞腺癌について
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概要
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1982年9月までに大阪成人病センターで手術され術後2年以上の経過の明らかな腺癌207例について分析した。207例の腺癌を乳頭状腺癌(気管支・肺胞被覆上皮型)と印環細胞癌(気管支分泌腺型)(N=27)にわけ,前者を粘液非産生型乳頭状腺癌(N=121)と粘液産生型乳頭状腺癌(N=31)にわけた。印環細胞癌は印環細胞の充実性胞巣の存在する例であり,管状腺癌で印環細胞の存在しない例は分類不能癌とした。術後の経過は腫瘍の大きさ,リンパ節転移の有無に大きく左右された。亜型別にみた5年生存率は粘液非産生性乳頭状腺癌42.9%,粘液産生性乳頭状腺癌33.3%,印環細胞癌52,6%であった。腫瘍の血管侵襲と多核巨細胞の存在と腺癌の予後を症例数の多い粘液非産生性乳頭状腺癌例で検討した結果,T_1,N_0症例で血管侵襲や多核巨細胞の存在する例は存在しない例に比し予後が不良であった。
- 日本肺癌学会の論文
- 1985-05-31
著者
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