2.男性に発病した悪性絨毛上皮腫の剖検例 : 第11回支部活動 : 東北支部
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概要
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28才の男子,本年5月末より咳嚥,血痕,腰痛,食欲不振,全身倦怠および右眼の視力障害を来し,6月3日本院内科外来を訪づれ,胸部レ線撮影,上部縦隔に腫瘍状陰影と両肺野の広範な転移性腫瘍状陰影を認めた1両側に指頭大の女性化乳房を認めた.蹄の右下に軟骨様硬度の手拳大腫瘤,尿中17-KSの減少,7月20日死亡剖検で,肺は殆ど腫瘤塊で占められ,膵臓を除く,腹部内臓,腎,副腎にも転移が認められた.腹部の腫瘍はリンパ節の集塊であった.組織学的には腫瘤は絨毛芽細胞のラングハンス氏細胞とジンチチウム細胞からなり,絨毛上皮癌と診断された.原発巣は不明であるが,睾丸と思われる2,3の考峯を加えた.
- 1973-06-25