肺癌患者の体液性抗体に関する研究
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概要
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肺癌180例で体液性抗体の面から担癌体の免疫能を検討した.肺癌患者では免疫グロブリンIgG,IgAおよび血清補体価(CH_<50>)は,他肺疾患と同じく高値を示す傾向にあった.肺癌の組織型,レ線像どこれら諸量の問に関連はなかったが,病期の進展するにつれてこれら諸量は増加し,W期では減少するものが増えてきた、また肺癌病巣部にもIgG,C_4,C_3が同時に存在することを認め,癌腫に対する宿主の抵抗も推察しえた.ことから体液性抗体の機能は末期でもよく温存されていることを認めた.なお螢光抗体法で病巣部および個々の肺癌細胞にIgG,C_4,C_3の存在を認め,腫瘍の局所でも抗原抗体補体反応の存在を推定しえた.以上の検討よつ,体液性抗体は癌免疫に重要な位置を占めることを認めた.
- 日本肺癌学会の論文
- 1975-12-10
著者
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