4.塵肺と肺癌 : 酵素,免疫学的検討
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概要
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1953-1974年7月迄に当院に入院した塵肺患者は421名にのぼるが,石綿肺の肺癌合併例は50例中14例(28.O%)と最も多く,珪肺は323例中15例(4.64%)に肺癌合併を認めた.肺癌における酵素としてLDHおよびAlkalinphosphatase(AP)が研究されてきたが,LDHはisoenzgmeの分析でLDH_4(HM_3)が,APは稀ではあるがReganisoeuzymeOxidase(MAO)の関係は,MAOが塵肺の進展度に比例して血清中活性の上昇を示し,組織中MAO値も肺および大動脈において高値を示すことが判った(各種塵肺64例を検査).血清中抗核抗体の陽性率は石綿肺が34.4%(32例中11例)珪肺は25.8%(31例中8例)であった.又,塵肺患者の末梢血リンパ球の諸性質を調べた所,症状の悪化に比例して,リンパ球数の減少,PHA,PDDによる皮膚反応の減弱および^3Hthymidineとり込み率の低下が認められた.T-cellの分布率も塵肺の重症例において減少しており,B-cellは増加していた.肺癌合併とは必ずしも比例しなかった。
- 日本肺癌学会の論文
- 1974-12-30
著者
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