巨大ブラ手術後,対側胸膜肥厚に隣接して発生した肺癌の1例
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概要
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症例は63歳,男性.主訴は胸部CT写真上異常陰影.1999年7月12日左巨大ブラで左上大区域切除術を施行.7カ月後の胸部CT検査で右肺尖部の胸膜肥厚に隣接して腫瘤陰影を認めた.気腫性肺嚢胞に合併した肺癌の診断で2000年2月28日手術を施行した.肺尖部の胸膜肥厚に隣接して腫瘍を触知し,右上葉切除術兼縦隔リンパ節郭清(ND2a)を施行した.病理組織学的所見では中分化扁平上皮癌で,pT1N0M0,stageIAであった.自験例は巨大ブラ手術後約7カ月の短期間で出現しており,手術侵襲が癌増殖能亢進へ影響を与えた可能性もあると考えられた.気腫性肺嚢胞合併症例で胸部手術施行例では,胸部X線に胸部CTを併施した頻回の慎重な経過観察が必要である.
- 日本肺癌学会の論文
- 2001-04-20