マウス精巣間質への肥満細胞の誘導
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概要
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マウス精巣間質にはトルイジンブルー染色陽性の肥満細胞は認められないがヒトではこれが認められ、特発性不妊症においてはその数が増加している。肥満細胞の精巣間質浸潤の機序解明の目的で14週齢ddYマウスの左精巣を経腹膜的に360度捻転させた。肥満細胞の精巣間質浸潤は術後4週目より始まり3〜24週目でプラトーとなった。これらの肥満細胞は円形を示し精巣上体や精巣白膜にみられる同細胞とは形態学的に明らかに異なっていた。しかし対側精巣重量には変化はなく組織学的に精細管の萎縮、ライディヒ細胞の変性、あるいはリンパ球の浸潤は認められなかった。本実験における肥満細胞浸潤の機序は明らかではないが少なくとも同細胞はいったん導入されると長期にわたり精巣間質内に存件し続けることが示唆された。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1994-05-20