腎細胞癌組織におけるMHC抗原の発現とIFN-αのMHC抗原発現に与える効果
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概要
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腎細胞癌患者18症例の摘出腎癌組織におけるHLA-A,B,C(MHC class I)抗原とHLA-DR,DQ,DP(MHC class II)抗原の発現を調べ,更に,IFN-αを添加し,IFN-αのMHC抗原の発現に与える影響を検討した.IFN-αを作用させないコントロール群では,18症例中4症例に認め,発現頻度が低かった.IFN-αを10IU/ml,30IU/ml,100IU/mlの濃度で添加し,24時間培養することにより,classI抗原は,18症例中,各々12症例,14症例,12症例に認め,コントロール群に対して,有意に発現の増強を認めた(p<0.05,0.01,0.05).この効果は,30IU/mlが最も強かった.class II抗原では,有意な増強は認められなかった.またStage,GradeとMHC発現の増強との間に統計学的検討では関連性は認められたかった.この結果より胃癌のIFN-α治療におけるclass I抗原の関与が確認され,更にその増強効果とIFN-αの至適濃度および治療効果との関連性が示唆された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1993-05-20
著者
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