犬損傷尿管の修復過程

概要

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Endourologyの発展に伴い尿管損傷の機会も増加している.これらの手技により発生しうると想定された尿管損傷モデルを成犬尿管を用い検討した.1) IVPによる検討では,1mm pierced injuryでは3日後,2mm pierced injuryでは約1週後,1mm punch injuryでは約1週後,2mm pmch injuryでは約3週後,5mm cut injuryでは約3週後,10mm cut injuryでは約3週後に造影剤の漏出は認めなくなった.また,損傷1週後10mm cut injuryに軽度水尿管を認めた以外尿管狭窄,水腎,水尿管は認めなかった.2) 肉眼的検討では,60尿管中2尿管に尿瘤を認め,2尿管に腸腰筋筋膜との強い癒着を認め,1尿管に腎孟から膀胱までの強い癒着を認めた.3) 組織学的検討では,3種類の修復形態が観察された.以上の結果より,尿管はencourologyで発生すると考えられるような損傷に対して無処置においてさえかなりの自己修復能のあることが判明した.また微小発破を上部尿路結石に応用するにあたり多少の尿管損傷は問題にならず,応用可能と思われた.なお,本論文は微小発破の生体応用に関する研究の第13報に相当する.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1989-11-20