FISH法を用いた膀胱癌組織の染色体数的異常の検出
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概要
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(背景と目的)Fluorescence in situ hybridization(FISH)を用いることによって,分裂期のみならず分裂間期の細胞に対しても染色体の数的異常の検出が可能である。膀胱癌に対してFISH法にて染色体数的異常を検出した。(対象と方法)35症例の膀胱癌捺印標本に対して1番,7番,9番,11番,17番,Y染色体に対するDNA probeを用いFISH法にて染色体数的異常を検出した。また,image cytometer を用いて核DNA量を測定し,FISH法による染色体の数的異常と比較検討した。(結果)FISH法では,染色体の数的異常は23例(65.7%)に認められた。Diploid症例21例の内9例(42.9%),non-diploid症例14例全てに染色体の数的異常が認められた。今回検索した6つの染色体間でimbalanceが多くの症例で認められたが,最も頻度の高いものは9番染色体の欠失であり,11例(32.4%)に認められた。これはすべてのsrage, gradeにおいて認められた。(結論)FISH法は簡便で比較的短時間で行える手技であり,今後膀胱癌の診断,悪性度の判定,予後の予測に有用な手段になりうると考えられた。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1996-09-20
著者
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