陰茎海綿体神経保存術に関する基礎的検討
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概要
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近年,患者の QOL (quality of life) の向上をめざし,勃起力を温存する神経保存術が行われてきた.しかし神経保存術として温存される神経の走行は未だ不明な点が多い.そこで本術式が神経保存術として適格か否かを検討し,さらに尿生殖隔膜部より遠位の陰茎海綿体神経の走行を観察した.方法は解剖実習体を用い臨床に即した神経保存術を施行し,陰茎海綿体神経を観察した.その結果,骨盤神経叢より起こる前立腺神経叢の陰茎海綿体神経は精嚢側面に接し,前立腺側方では,その筋膜と被膜の間を走行していた.さらに尿生殖隔膜部では尿道縁から約8mm離れて5時および7時方向で通過したのち陰茎海綿体に分布することが判明した.したがって神経保存術を行う場合に,精嚢を露出する剥離,前立腺被膜と筋膜の間での剥離および尿生殖隔膜部において尿道を充分に確認しながらの切断が必要である.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1994-08-20
著者
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