正常ラット副腎およびヒト副腎におけるカテコールアミンα受容体の研究
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概要
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ラットおよびヒト副腎の細胞膜分画にカテコールアミン受容体が存在するか否かを, radioligand binding assayにより検索した.ラット副腎細胞膜分画における^3H-prazosin binding (α_1受容体) は, 最大結合部位密度 (Bmax) が12.5fmol/mg protein, 解離定数 (Kd) はO.11nMであった.ヒト正常副腎皮質, ヒト正常副腎髄質と褐色細胞腫の膜分画への最大結合部位密度はそれぞれ, 16.3±3.3fmol/mg protein, 16.3±2.92fmol/mg protein, 25.6±3.7fmol/mg proteinであり, 解離定数はそれぞれ0.34±0.02nM, O.27±O.04nM, O.15±0.02nMであった.一方, ラット副腎における^3<H>-yohimbine binding (α_2受容体) はBmaxが22.9fmol/mg protein, Kdは4.28nMであった.ヒト正常副腎皮質, ヒト正常副腎髄質と褐色細胞腫膜分画における^3H-yohimbine結合のBmaxは, それぞれ40.4±3, 44fmol/mg protein, 12.2±3.0fmol/mg protein, 35.8±3.2fmol/mg proteinであり, Kdではそれぞれ5.15±0.22nM, 5.39±0.33nM, 1.08±0.21nMであった.以上の結果よりラット副腎およびヒト副腎にはそれぞれα_1およびα_2受容体が存在することが確認された.ヒト正常副腎髄質細胞とヒト褐色細胞腫を比較した場合, ^3H-yohimbine結合のBmaxは12.2に対し35.8fmol/mg proteinと後者で有意に高く (p<0.01) , Kd値は5.39に対し1.08nMと後者で有意に低値を示した (p<0.01) .ヒト褐色細胞腫の, α_2受容体は, 数, 親和性が正常副腎髄質細胞より高いことが示された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1990-02-20
著者
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