尿路移行上皮癌におけるsubrenal capsule assayを用いた抗癌剤感受性試験の検討
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概要
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尿路移行上皮癌31例34腫瘍の臨床材料を用いて,subrenal capsule assay (SRC法)を施行した.day 6において,97.7%の移植片が肉眼的に認められ,組織学的に腫瘍細胞が認められた移植片は,45.4%であった.移植片の増大(⊿lTS)と,間質組織の占有率との間に負の相関が認められた.また,day 6において,腫瘍細胞からなる偽嚢胞形成を示す移植片が認められた.これらは,腎被膜下において,尿路移行上皮癌が増殖することを示唆するものと考えられた.抗癌剤感受性の評価可能率は97%であり,⊿TS判定法によると,cisplatin (CDDP),adriamycin (ADM),methotrexateおよびcyclophosphamide (CPM)に対し,33%,41%,32%および29%の腫瘍が感受性ありと判定された、間質組織の多い腫瘍においては,tumor growth inhibition rate (TGIR)判定法より⊿TS判定法の方が,より多くの抗癌剤に感受性ありと判定された. ⊿TS判定法による感受性結果で,S-期細胞の比率の高い腫瘍群で,抗癌剤に高い感受性を示したが,TGIR判定法による結果では差が認められなかった.これらから,TGIR判定法より,⊿TS判定法の方が,実際的ではないかと考えられた.その他,CPM 180mg/kgの前処置による,免疫抑制効果は十分ではなかったが,無処置群に比し移植片の増大は良好であった.また,CDDPとADMの併用では,抗腫瘍効果と副作用軽減効果が認められた.
- 1989-12-20
著者
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