神経刺激に対する尿道反応の研究 : strain gange transducerを用いての測定を中心にして

概要

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尿道の神経支配と部位刷機能を明らかにする目的で,尿道外壁に装着してこの部位の動きを尿道の縦方向と横方向の成分にわけて計測しうるstain gauge transducerを作製し,これを用いて以下の実験を行なつた。雌の雑種成犬を対象とし,下腹部正中切開,恥骨結合切除によつて膀胱と尿道全長を直視下に露出したのち,尿道固有の反応を導出するために,膀胱切離,直腸摘除の手術操作を行なつて,これら尿道周囲組織からの尿道への影響を除外することとした。各手術操作の前後で,骨盤,下腹,陰部神経切断端末梢側をそれぞれ電気刺激し,近位,遠位尿道およびこれらの中間点(中位尿道)の3個所の尿道反応を記録した。尿道反応の測定には尿道管腔外に試作したstrain gauge transducerを装着したほか,同一部位の管腔内にはmicrotipcatheter pressure transducerを設置し,また膀胱,直腸の内圧変化を同時記録した。骨盤神経電気刺激により,主に近位と中位の尿道で縦方向の延長,横方向の短縮および内圧の上昇反応がみられ,尿道は適度の緊張を生じて尿を有効に排出すると思われた。膀胱切離,直腸摘除によつてこの尿道反応は減弱したが,反応様式は同様であつた。下腹神経刺激では近位尿道で縦方向の延長,横方向の短縮および内圧の上昇がみられ,膀胱切離によつても横方向の反応だけは消失せず,内尿道口附近で尿の貯留が支持されると思われた。陰部神経刺激では遠位と中位尿道で横方向の短縮,縦方向の不変または延長反応および内圧の著明な上昇反応がみられたが,直腸敵徐によつても反応様式は変わらず,尿道周囲横紋筋と協調して非常時の蓄尿や排尿の中断が行われると思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1982-10-20

神経刺激に対する尿道反応の研究 : strain gange transducerを用いての測定を中心にして

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