尿路***感染症におけるChlamydia trachomatisの検討 : C.trachomatisの分離およびELISAによるC.trachomatis抗体の測定
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概要
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Chlamydia trachomatis (以下C. trachomatisと略す) が男子尿道炎または慢性前立腺炎に関与しているか否かを検討する目的で, 愚老からのC. trachomatisの分離と, 血清抗体(IgG)測定を行なった. C. trachomatisの分離は全例尿道擦過物を検体とし, Hela 229細胞を用いた細胞培養法により行なった.抗体測定は, C. trachomatis L_2 (L_2 434/Bu) 株EBを単一抗原とした酵素抗体法(ELISA)で行ない, 蛍光抗体法(IFA)と比較検討した.非淋菌性尿道炎(NGU)72例中25例(34.7%), 淋菌性尿道炎(GU)38例中5例(13.5%), 慢性前立腺炎(NBP)60例中2例(3.3%)にC.trachomatisが分離された.Ig-G抗体陽性率は, NGU57.1%, GU33.3%, NBP30.3%でありNGUにおいて有意に高率であった(p<O.01).またC.trachomatis陽性尿道炎患者のIg-G陽性率は72.7%で陰性患者の陽性率より有意に高率であった(p < 0.01).Ig-G抗体は, C.trachomatisが分離された時点より3ヵ月目頃まで陽性を示し, 以後下降する傾向があった.以上より男子非淋菌性尿道炎とC.trachomatisの関連性が示唆された.さらにELISA法による血清抗体測定はIFA法に比し4ないし8倍感度がすぐれ, 一度に多くの検体を測定できることから臨床的に有用と思われた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1988-01-20
著者
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