体外衝撃波のラット腎組織,腎機能および血圧におよぼす影響について : 1年間のフォローアップ
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概要
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体外衝撃波の腎組織,腎機能および血圧に及ぼす影響を,雌Wistarラットの両腎に各500発ずつ体外衝撃波を照射して検討した.照射後1日目,7日目,1ヵ月目,3ヵ月目,6ヵ月目,12ヵ月目に各群12匹ずつ,血液生化学(BUN,クレアチニン),尿生化学(NAG,β_2-microglobulin,28-kDa carbindin-D),クレアチニン・クリアランス(Ccr)を測定し各対照群と比較検討した.各群とも両側腎を摘出し,腎重量を測定するとともに組織学的にも検討した.また,1年間,収縮期血圧と血漿レニン活性を測定し,各対照群と比較検討した.組織学的には,1日目には尿細管を中心とした出血凝固壊死および尿細管上皮細胞の変性が著明であった.7日目には炎症細胞浸潤と間質の線維化がみられ,1ヵ月目には瘢痕形成の出現を認めた.間質の線維化,炎症細胞浸潤,瘢痕形成,尿細管上皮の変性は,12ヵ月を経ても観察することができた.腎重量は対照群と比べて,1日目から3ヵ月目までは浮腫によると思われる有意な高値を認め,12ヵ月目では逆に瘢痕性萎縮によると思われる有意な低値を認めた.BUN,血清クレアチニン,Ccr,尿中β_2-microglobulin,尿中NAG,尿中28-kDa carbindin-Dは,すべて1日目に有意な異常値を示したが,いずれも一過性で3ヵ月目では有意差を認めなくなった.1年間の観察期間において,収縮期血圧および血漿レニン活性値に有意な変化を認めなかった.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1992-09-20
著者
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