尿路感染症における混合感染の免疫学的研究
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概要
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長期カテーテル留置混合感染症例の20例で,尿中分離菌の個別菌数,血清抗体価,尿中抗体価,Recoated・antibody coated bacteria(R・ACB)の検出,および尿中免疫グロブリンの測定を行ない,以下の結論を得た.1.患者の自己糞便分離菌の血清抗体価の測定から,尿路感染症の抗体価陽性限界値を128倍以上とした.2.一尿路より分離された複数分離菌の血清抗体価は,菌数に比例して高値となる傾向を認めた.3.2週間の間隔を置く2時点の抗体価の変動も菌量の増減に比較的よく同調する傾向を認めた.4.R・ACBの検討で,IgGのS-R・ACBは血清抗体価とU-R,ACBは尿中抗体価と相関する傾向を認めた.抗体分析の結果は,S-R・ACBではIgG,IgAで陽性率が高く,U-R・ACBではIgG,S-IgAで陽性率が高値を示した.5.U-R・ACB陽性の尿中免疫グロブリンはS-IgAで高値を示し,陽性率は低いがIgM でも高値を示した.IgG,IgAでは尿中免疫グロブリン量とUR・ACB陽性間に相関を認めなかった.6.尿中抗体価陽性率は12症例中3例(25%)であった.尿中抗体価陽性株は全例IgGのU-R・ACBが陽性であった.一尿路の分離菌のうち複数の分離菌が,血清抗体価,尿中抗体価,R・ACB陽性であった.
- 1981-07-20
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