前立腺癌診断における経直腸的power-Doppler超音波検査および造影剤の効果に関する検討
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概要
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(目的)前立腺癌診断における経直腸的power-Doppler超音波検査(PDUS)の有用性を示唆する報告は多い.本検討ではPDUSの検討とともに造影剤使用の効果について検討を行った.(対象と方法)直腸診(DRE),prostatic specific antigen(PSA),経直腸的超音波検査(TRUS)の異常のため前立腺癌疑いで生検を受けた142例(造影剤未使用の90例と使用の52例)を用いて,造影剤使用の有無でPDUSの効果を比較検討した.(結果)43例(30.3%)に癌が検出され,造影剤未使用群で22例(24.4%),使用群で21例(40.0%)と,有意な差(p<0.05)で造影群が多かった.しかし,造影による画像の鮮明化はあるものの,統計学的には造影剤使用の有用性は得られなかった.なお,DRE,PSA,TRUSにPDUSを追加することにより,positive predictive valueは有意に増加した.また,TRUS,PDUSともに陽性であった場合,癌である確率は65.8%であったことより,PDUSそのものは有用と考えられた.本検討はretrospectiveなものでバイアスが存在するため,将来的に詳細な検討が必要と考えられた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 2002-05-20
著者
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