集団検診で検出された尿潜血陽性者に対する尿中赤血球容積分布曲線の有用性

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(目的)集団検診で発見された無症候性尿潜血陽性者の臨床診断におけるスクリーニング検査として,尿中赤血球容積分布曲線(RVDC)の有用性を検討した.(対象と方法)1993年1月から1994年12月まで,集団検診で検出された40歳以上の尿潜血陽性者200例(男性44例,平均年齢53.4歳:女性156例,平均年齢57.2歳)を対象とした.RVDCのパターンに基づき,症例を3群に分類した.NG群は非糸球体型を示した症例,M群は混合型を示した症例,G群は糸球体型を示した症例である.泌尿器科的検査は,DIP,腎・膀胱超音波検査,尿道膀胱鏡検査をおこなった.予後調査のため,1999年9月,全症例に質問紙を郵送し,初診から現在までの期間に罹患した病気を尋ねた.(結果)G群が192例(96%)で,対象症例の大部分を占めた.膀胱癌2例を含む重篤な泌尿器疾患5例(2.5%)は,NG群とM群にのみ発見された.初診より今回の予後調査迄の経過期間(平均5.7年)中に,G群の1例に膀胱癌と尿管癌の合併症例を認めた.この症例の発見時のRVDCは混合型であった.(結論)集団検診で検出された尿潜血陽性者のスクリーニング検査として,RVDCは有用であった.すなわち,RVDCが非糸球体型や混合型の場合には,内視鏡検査を含む泌尿器科的精密検査をおこなう必要がある.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2002-05-20

集団検診で検出された尿潜血陽性者に対する尿中赤血球容積分布曲線の有用性

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