マウス感染モデルの膀胱上皮に対するE.coliの付着性と血中エンドトキシンの検討
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概要
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compromised hostにおける細菌の尿路上皮に対する付着性および付着性と血中ET濃度との関係について,マウス尿路感染症モデルを用いて検討した. 尿路感染実験において,作成した4つのマウス感染モデルのうち膀胱内異物モデルと排尿障害モデルにおける尿路の易感染性が確認された.顆粒球減少モデルでは膀胱壁付着細菌数のみが有意な増加を示したが,糖尿病モデルでは有意な易感染性は確認できなかった. E.coli 6株のマウス膀胱上皮に対するin vitroの付着性は,各感染モデル群とコントロール群の間において明らかな差が認められなかった. receptorとしての尿路上皮の変化を検討する目的で,マウスの腎,膀胱上皮に対するレクチンとuromucoidの染色性を比較したが,各感染モデル群と正常群との間で明らかな差が認められなかった. マウス感染モデルにおいて認められた尿路の易感染性は,マウス尿路上皮におけるレセプターの量的,質的変化に伴うE.coliの付着性の増加によるものではなく,その他の宿主防御因子の変化によるものと考えられた. マウス膀胱上皮に対するin vitroの付着性は,type1線毛保有株が非保有株より明らかに高かったが,in vivoにおける尿路内での存続性が強いのはP線毛を同時に保有するNo.113株接種群であった. 付着性と血中ETの検討では,付着性の高い菌株でETレベルが投与後6h〜24hで高度に上昇する傾向にあり,付着性と血中ET濃度との関連性が示唆された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1992-12-20
著者
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