精巣性女性化症におけるアンドロゲン受容体の温度不安定性に関する検討

概要

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完全型精巣性女性化症の2症例の外陰部皮膚培養線維芽細胞を材料とし, 〔^3H〕dihydrotestosteroneを用いたdispersed whole cell binding assay(Eil et al.,1980)を行った.症例1はreceptor negativeであったが,症例2はmaximum binding capacity(Bmax)=21,000sites/cell, dissociation constant(Kd)=1.67×10^<-10>Mと共に正常範囲内を示した.症例2に対しthermostability testを施行した.その結果, 〔^3H〕dihydrotestosteroneのandrogen receptorに対するspecific binding remainingは,2〜8歳の内分泌学的に正常と考えられる包茎患者であるcontrol群の81.6%に比べ,症例2では6.6%と著明に低下していた.このことから,症例2のandrogen receptorは質的異常をもつことが証明された.Thermostability testはandrogen receptorの質的異常を証明するうえで有用である.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1992-10-20